庄内の奏で エール桜の花が咲く季節 一部抜粋

エール

天からの使者が

満月の光に導かれ

清水を杯に注ぎ口を湿らせる

この世の儀式が終わると

死に人を連れ ともに月に帰ってゆく

死にゆく物は

白足袋を履き

白い傘をさし

天に招き入れられる

もう、いいがのぉ

まだまだ、だめだ

もう、いいなねがのぉ

いやいや、まだだめだ

お前様にはやるべきことがある

ある者は

お前様の笑顔が見たいと

もう一人は

お前様の元気な姿に会いたいと言っている

そして

目の前にいる者は

お前様の優しい

温かい手を握りたいと待っている

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